【音楽】4cmの胸腺腫から復帰！中西圭三「天国の母が僕を救ってくれた」

平成の時代にヒット曲を連発したシンガーソングライターの中西圭三（57）。
彼が創った「Choo Choo TRAIN」や「タイミング～Timing～」は時を超え、令和のティーンたちに愛され、TikTokでバズっている。

そんなヒットメーカーを病魔が襲ったのは、今年5月のことだった。

「母の日の夜に突然、下血しました。初めての経験だったので、翌日すぐ病院にかけこんでいろいろ検査をうけたのですが、下血の原因はわかりませんでした。でも、この時に撮ったCTで気になる影がみつかったんです」

精密検査の結果、下された診断は「胸腺腫（きょうせんしゅ）」だった。
胸腺は胸の真ん中にある胸骨の真下、心臓の上にある。胸腺腫は胸腺の中にできる腫瘍で、自覚症状はほとんどないという。

「ふと、大学時代の記憶が蘇りました。音楽を諦めて就職をしようとしたことがあったんですが、母が止めてくれたのです。『あなたは音楽がやりたくて岡山から東京に出たんじゃないの？』と。音楽の道へ戻るよう背中を押してくれました。今回も母の日に下血があって病気がみつかった。母はもう亡くなっているんですが、天国からまた助けてくれたのかな、と思いました」

腫瘍は4ｃｍと大きく、胸腺ごと取ることになった。医師にすぐ手術するよう促されたが、実際に摘出手術が行われたのは診断から３ヵ月後の8月に入ってからだった。そこには「6月～7月に予定されていたコンサートに穴を開けられない」という、中西の音楽への強い想いがあった。

「肋骨を切開して胸腺を摘出するとなると身体への負担が大きくなるので、お医者さんがすごく考えてくださって、なるべく傷口が小さくてすむように最新の内視鏡手術支援ロボット『ダヴィンチ』を使って摘出手術を行うことになりました。今後の歌手活動に影響がないか不安はありましたが、お医者さんが『以前も音楽をしている方の手術をしましたが、きちんと復帰されていますよ』とおっしゃったので、お任せすることにしました」

手術時間はおよそ5時間に及んだ。しかし、翌日には歩けるほど回復は早く、およそ1ヵ月には武道館に立っていた。今はだるさや、しんどさを感じることもないという。

「こうして病気になって、今まで通りにいかなくなったことは少なくありません。ただ、そのぶん、『今の自分にできる役割を精一杯やろう』という気持ちが強くなりました。最近では”ままならない自分”も認めてあげたいと思う気持ちも生まれています」

健康のために早起きし、ウォーキングをするようになった。SNSに日の出の写真をアップしたりしているという。

「実は歩いている時に、いいフレーズが降りてきたりするんですよ。その場でスマホのボイスメモに吹き込みます」

中西のスマホにはボイスメモがぎっしり保存されていた。”降りてきた”歌詞を録音したり、思いついたメロディを口笛で吹きこんでいるのだという。ボイスメモのタイトルは「降りてきた」場所になっていた。再生してみると、口笛なのに完璧な音階で構成されていることに驚いた。鼻歌バージョンもあった。今後、披露されることはあるのだろうか。

「10月18日に紀尾井ホールでcobaさんプロデュースの蛇腹楽器200年祭に出演します。

（※以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。）

撮影・文：愛田プリン